歯周病について
歯周病とは
歯周病とは
歯周病とは「細菌感染によって歯を支えているあごの骨が溶かされてしまう病気」です。
歯周病は歯を失う最大の原因で、35歳以上の日本人の約80%の人が罹患しているといわれています。
歯周病の初期は「痛い」「歯が動揺する」などの症状が出ないことが多いため、気づいた時にはすでに進行してしまっている場合が多いという特長があります。歯ぐきから出血する、口の中がネバネバする、口臭が気になる、などの症状に気づいたら、早めの診察を受けましょう。
歯周病セルフチェック
下記のような症状が1つでもある方は歯周病かもしれません。 一度、歯周病の検査を受けてみてはいかがですか?
①朝起きた時、口の中がネバネバする
②歯磨きをしていて出血する
③口臭が気になる
④歯肉がむずがゆい、痛い、うずく
⑤歯肉が赤く腫れている
⑥かたいものが噛みにくい、食べ物がよくはさまる
⑦歯が長くなったような気がする
⑧前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間ができた
歯周病治療
歯周病の診断と治療について
1.歯周病の精密検査
2.歯周病の診断
歯周病の精密検査によって得られた検査結果によって、現在の歯周病の診断を確定します。さらに、現在の進行度と感受性(遺伝的・生活習慣や全身的歯周病リスク)によって治療方針、およびおおよその治療期間を決定します。
必要な治療内容と治療期間のおおよその目安は、左表の
水色の症例:必要な治療①④、治療期間1~3か月程度
黄色の症例:必要な治療①②④、治療期間3~6か月程度
赤色の症例:必要な治療①②③④、治療期間6か月~2年程度
この治療期間の目安は歯周病の治療に要する期間であり、歯周病治療以外の治療(虫歯治療やインプラント治療等)は含みません。
3.歯周病治療①(歯周基本治療)
歯周病の原因は、歯周病原細菌の感染です。そのため、歯周病の治癒に最も重要なことは、いかに歯周病原細菌が活動しにくい口腔内環境を作れるかどうかにかかっています。これには患者さん自身の毎日のブラッシングと食生活習慣の改善が不可欠です。
例えば週1回治療を行う場合、治療時には歯科医師・歯科衛生士が口腔内をきれいにしますが、残りの6日でそれを維持するブラッシングが出来ず汚れをため込んでしまっては、歯周病の治癒は期待できません。
歯周病治療①は、ブラッシング技術の習得と食生活習慣の改善のご提案、およびブラッシングの際に邪魔になる表面上の歯石を除去し、腫れた歯茎を引き締めることが治療の目標になります。
4.歯周病治療②(歯茎の中の歯石除去)
歯周病治療①により、ブラッシング技術を習得し、表面上の歯茎の腫れを消退させたのち、第二段階の治療として歯茎の中の歯石除去を行います。歯茎の中に歯石が付着していると、そこが歯周病原細菌の隠れ家(歯周ポケット)となってしまうため、これをきれいに除去する必要があるのですが、第一段階でブラッシング技術の習得が出来ていないと効果が半減してしまう、あるいはせっかく除去してもまたすぐに歯石が付着してしまうため、第二段階でこの処置を行います。
歯茎の中の処置のため、場合によっては局所麻酔下にて処置を行います。
歯周病治療②は、歯茎の中の歯石を除去することで、歯周病原性細菌の隠れ家(歯周ポケット)を撤去することが目標となります。
5.歯周病治療③(歯周外科治療)
重度歯周病の症例では、あごの骨が大きく欠損し、そのため歯の根のくぼみや分岐の部分に歯石が付着していることが多く、歯周病治療②で歯石除去できる限界を超えた位置に歯石が残存してしまう場合があります。
歯周病治療③では、このような部位に対して外科的にアプローチして、歯石を除去するだけでなく、重度に吸収されて複雑な形態になってしまったあごの骨の形を切除又は再生することで可能な限り平坦化し、残存した歯周ポケットを除去するとともに、ブラッシングによって汚れが落としやすい形態に歯茎の形を修正することを目標とします。
当院では適応症例に対しては歯周病再生医薬品「リグロス」を用いた歯周組織再生治療を行います。
6.歯周病治療④(メインテナンス)
歯周病は慢性疾患ですので、歯周病治療によって一時的に治癒を獲得しても、毎日のブラッシングと食生活習慣の改善により、「歯周病原細菌が住みにくい口腔内環境」を維持できなければ、いずれ再発してしまいます。
歯周病治療④は、歯周病の進行度とリスクにより、1か月~6か月毎の定期的なメインテナンスを行い、歯周病の再発・進行の抑制のサポートを行うことを目標とします。